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タケの排便と父の排便

2011年11月29日(火)

タケがまた、散歩にいこうと車に乗り込んで、すぐうんこをもらしたのである。下痢でもなんでもない、ふつうのいいうんこであった。もうこれで数回目になるからこっちも慣れてきた。タケが、散歩中に、ふつう犬がするようにおしりをすぼめてうんこするんじゃなくて、ただ歩きながらぽろぽろ落としていくようになってからだいぶ経つ。この頃はさらにすすんで、したというのも自覚ないようになったということだ。そしてそれは父の状態そのものである。父の大好きな話題のひとつは(ちょっと皮肉っぽい言い方。しかしそう言いたくなるほど、その話題について熱心に話す)、知らずにもらしてしまううんちのことで(うちの家族は、うんちと呼んでいた)ときどきトイレにいくとおむつパンツのなかにべったりと出ていて、みつけたときはすごいショックなんだそうだ。出るという感覚も、したいという感覚もないんだそうだ。「いやだなあ、年取るというのは」とそういうことのあったあとは、かならずしょげきってあたしに報告する。タケには「いやだなあ」という意識はないのである。だからへーきで、うんこを踏んづけながら、散歩散歩とさわいでいる。今日、タケの年齢を調べてみた。人間でいったら100歳くらいだ。機能の一つや二つ衰えてもしかたがないなあと思える年だ。

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