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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

見つけました。書店用文庫目録

2010年06月04日(金)

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 銀座の教文館で「文庫目録を下さい」とお願いしたところ「すみません。今、書店用のものしかありませんから、これをお持ち下さい」と、もらったのが新潮社の文庫目録です。表紙にしっかり「書店用」と印刷してあります。緑色の紐も最初からついていました。初めてみました。

 ゼミの学生が書店で「これは書店用です」と言われたということで、それから学生たちにいろいろ聞いてみました。ネットで直接、それぞれの出版社のHPにアクセスして文庫目録を送ってもらったという学生がいました。どうやら、その手が一番確実に、文庫目録を手に入れやすい方法らしいと解りました。

 銀座の教文館のすぐそばにアップルストアーがあります。iPadの発売の日に1,200人もの人が行列を作ったお店で、新聞にも写真が載っていました。美容院で髪を切ってもらった時、通りかかると、お店の中はiPad一色。なかなかの賑わいでした。ゼミの学生の中にも早速にiPadを手に入れた人もいるようです。

 キンドルやiPadについて報じる新聞記事を読んでいるうちに、これはOS(基本ソフトウェア)のシェア争いに、旧来のメディアが巻き込まれた、もしくは、飲み込まれたのではないかという考えが湧きました。PCのOSではウィンドウズ優位が絶対に動かないように見えています。キンドルのOSは何を使っているのか知りませんけれども、iPadではアップル社のOSが使われているのでしょう。以前、文字コード問題でいろんな人にお話を聞いた時に、あるPCメーカーの御重役が「市場というものは変化を求めるものなのです。だから、必ずウィンドウズ優位が崩れる時がきます」とおっしゃっていたのを思い出したのです。

 一般論としてはその人の言っていたことが理解できたのですが、具体的にウィンドウズの優位が崩れるのはどんな時なのかは想像できませんでした。が、目の前でアップル社のiPadを求める人の行列を見ると、それが1995年にOS「ウィンドウズ95」の発売のときの秋葉原の光景によく似ていたことも手伝って「ああ、これがアップル社の巻き返しなのだ」という気がしてきました。今はそれ以上のことはなんとも言えませんけれども、報道などでは「旧来のメディア対新しいメディア」をいう構図が描かれていますけれども、ほんとうのところはOSの覇権争いなのではないでしょうか?

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