中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

マーゴンが来るよぉ

2004年10月09日(土)

 マーゴンが来るよぉ!!!それにしてもマーゴンなんて、すごく、いたづらそうで、強そうな名前がいつた台風22号ですね。上陸すれば今年9つ目の台風で、もし関東地方なら、関東直撃の最初の台風になります。(午前8時45分)

秋雨前線の雨が小止みになって、風を幾らか吹いている程度です。NHKの昼のニュースではそろそろ埼玉県南部も強風域にひっかかっていそうなのですが、とくに強い風ということはありません。バイトから帰ってきた(駅前のコーヒーチェーン店)息子が空から白い霧か雲みたいなものが地上に降りてきたのを見たと言っていました。猪八戒が乗ってたんじゃないかと笑ったのですが、さて何を見たのか?山の上なら雲なんですが(午後12時45分)

 午後3時頃、なぜかお風呂に入りたくなって豊島園の「庭の湯」に行ってみようと思いました。露天風呂で周囲に樹が植えられているので、かなりな雨でも気分がいいんじゃないかなと思ったのですが・・・。途中で、デパートに寄りこみ、買い物をしていたら、あたりがまっしろになるほどの雨になりました。風はなく白い雨がまっすぐに振っていました。「庭の湯」に到着はしたものの、これが右折禁止で車を駐車場に入れられない。どうにか、車を入れようと道を探しているうちに風がだんだん強くなり、不安になってきました。こんな台風の日に露天風呂に入りに来たなんてねえ!それで車が強風で横転なんて言ったら、ちょっと恥。

 午後4時30分、結局、お風呂には入らずに家に帰ると、息子が外出しなくちゃならないから送っていって欲しいというので、またまた雨と強風の中に車で乗り出す。光が丘公園の体育館まで送って行く。その帰り道に、ついでだからと、アルバイト(駅前の本屋)に行っていた娘を迎えに行った。娘のバイトが終わるのを車の中で待っていると、風で車体がふわりと揺れる。ここまま飛ばされたら、救急車とかパトカーとかが来るのかなあと想像しているとだんだん怖くなった。ようやく娘がバイトを終えて車に乗り込んで来た。5時30分になっていた。

 家の駐車場に車を入れる。マンションの玄関までの10メートルでずぶ濡れになる。傘は強風のためにまったく役立たずだった。小学生くらいの子どもが3人、エレベーターから興奮した顔で降りてきた。雨、風の凄まじさをおもしろそうに、マンションのエントランスから眺めている。この3人のエレベーターに乗ったのだが、ボタンを押してもエレベーターは動かない。どうも風でエレベーターが揺れていて、そのために安全装置が働いているようだ。小学生3人が不安そうな顔をする。「もう一度、ボタンをしてみようね」といいながらボタンを押すと今度は動いた。
 「おばさん、びしょびしょだね」
 3人の中の女の子がそう言った。確かにびしょびしょで、やけに寒かった。雨にぬれ、骨身に応えるほど身体が冷えたなんて経験は初めてだった。たぶん青い顔をしてたのだろう。
 「あんたたちも早くお家に帰って身体をあっためないと風邪日ひいちゃうよ。」
 そう言って、エレベーターから3人を降ろした。3人が降りて行った廊下のほうから、「うぁゃ」とうれしそな悲鳴が聞こえて来た。

 家に帰ってお茶を飲んだらようやく身体が暖まった。台風も静かになっていた。7時頃かな。あっというまにとおり過ぎていったマーゴンでした。

↓前の日記 / 次の日記↑

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ