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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

耐震偽装事件と高校の必修科目未履修問題

2006年10月29日(日)

 昨年の秋に表沙汰になった耐震偽装事件といい、今度の高校の必修科目未履修問題といい、組閣が終わると、こうした広範囲に影響のでる問題が転がりだしてきます。それも、メディアを通じたリークの形が二度も続くとなると、新大臣がスタンドプレーをやっているんじゃないかしら?と勘ぐりたくなります。それとも、官僚が新大臣を困らせるために、情報を投げているのかしら?

 結局、ほんとうにところはわかりませんが、そういう勘ぐりがひとり歩きをするだけでも、行政や政治に対する信頼はそうとうなダメージをこうむることになります。私が考えるようなことは、おそらく、日本中の多くの人が考えるに違いないからです。

 必修科目未履修問題では「それにしても私立高校の数がすくないなあ」って首をひねっている人がいました。確かに。確かに。もっと私立高校で未履修がありそうな気がします。07年には大学全入時代が来るとか、いや、もう実質全入になっているとか言っている時代に「受験」を理由に履修科目を減らしていたというのもなんだか納得できない話です。学校の認識になにか時代錯誤的なものがあったのではないかしら?とつい考えてしまいます。今、校長先生くらいになっている世代ってものすごく受験が厳しかった時代に大学生になってます。受験者の数はどんどん増えるのに、大学の数が少なかった時代の受験生でした。「受験生ブルース」なんて歌が流行していた頃です。その当時の記憶って、なかなかしみ込んで離れないのではないでしょうか?

 とすると、たぶん、メディアの報道が信用されていないのです。報道が信用されないから、「受験生ブルース」を歌っていた往時の記憶で、受験用の学校を作ってしまうという事態になったのかもしれません。

 耐震偽装事件のほうはすっかり矮小化されてしまいました。たぶん、危ない建物はもっともっとたくさんあるのでしょうけれども、一部の人が大きな打撃をこうむる形で終わりになってしまいそうです。

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