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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

こんどの超漢字は

2006年10月10日(火)

 今月、パーソナルメディア社から「超漢字X」がでるということです。で、これがちょっとすごい!今まではPCのデスクを区分して「ウィンドウズ」と「超漢字」を別々に使ってました。だから「超漢字」から「ウィンドウズ」に移る場合には一旦、パソコンを閉じて、再起動させるという作業が必要でした。今度は、「ウィンドウズ」の上にかさねるようにして「超漢字」を使えるようになるらしいのです。

 感覚的には「ウィンドウズ」のアプリケーションソフトみたいですが、もちろん、エンジンは「トロン」です。で、さらに、さらに楽しみなのは、1ページに複数の原稿を印刷できるという点です。PCのワープロソフトは「原稿」と「製版」の観念が混在していて、原稿を書こうとする場合には使いにくいのですが「超漢字」では400字の原稿用紙を設定して原稿を作ることができます。で、それを紙に印刷するときは400字ではなくて複数ページで印刷できるようになると、これは修正の作業がものすごく楽になりそう。

 なぜそんなに400字にこだわるのかは、これまで幾つかの原稿を書いています。簡単に言うと400字でどのくらいの内容を盛り込むことができうるかが、直感的に解ると長編製作がイメージしやすくなります。私などは400字つめ原稿用紙を使うのが当たり前な時代に仕事をしてきましたから、大学の学生の諸君にそのことを言い忘れてしまうことがあります。400字という標準的な文字数で原稿を考える習慣をつけておくと、長いものを書くときに便利なんだと教え忘れて卒業制作の時にあわてるということが何度もありました。(今年も誰かいるんじゃないかと心配)あんまり当たり前のことってつい忘れてしまうのですが、PCを使って当たり前の学生はそもそも400字という文字数の感覚がない場合があります。それから、これも物書きの世界ではあたりまえなのですが、規定の文字数で原稿を書くというのは、一般的にはあまりやれる人が少ないようです。
 「超漢字」には原稿の進捗具合を視覚的に示すイイジゲーターを付けてもらいました。で、そのことをものを書くことを仕事にしている人に話すと一様に「それ、いいなあ」って言うのですが、文字数を限って原稿を書くことがない人には、このインジゲーターの必要性はあまり感じていないようです。文字数を意識しないと文章の構成ってなかなかできないのですが、そのへんにはあまり注意をしていないみたいです。

 それで、「超漢字X」の心配は仕事をしながら、ちょくちょくネットを覗いたりして遊んでしまうんじゃないかというところ。これまでは、再起動させなくちゃいけないという制約で、仕事の時は仕事というけじめがありましたが、その集中力を一時的に失うかもしれません。ほんとPCってなんとなく散漫に時間を使ってしまうのはテレビ以上の威力があります。という心配はありながらやっぱり「超漢字X」が待ち遠しいです。

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