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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

買えない味

2006年10月12日(木)


平松 洋子 / 筑摩書房
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 平松洋子さんがドゥ・マゴ賞を受賞しました。「買えない味」は受賞作です。昨晩、渋谷の東急文化村で授賞式がありました。平松さんは紺色のシンプルなワンピースがよく似合っていました。
 二次会は青山で。こちらの方が授賞式よりもたくさんの人でごったがえしていました。正直言って、誰がいるのかまったくわからない状態。で、銀座の焼き鳥屋さんのバードランドが出張してきて、お庭で焼き鳥を焼いてました。私は羊を焼いたのをごちそうになったのですが、これが忘れられないくらい美味でした。ちゃんと羊の香りがするのです。
 「買えない味」は食べ物は誰とどんなふうに食べるのかで味が変わることを書いたエッセイ集。人間を幸福にしてくれる食べ物は「買える」ものばかりではないのです。で、このエッセイ集を読んでいると、私は子どもの頃のことを思い出すというよりも、もうこの世にいない人、祖父母とか父母とか叔母とか、そういう人たちに会っておしゃべりをしているような気がしてきます。そうそう、小さかった弟とか小さかった自分とか、雨の日にどこかに越していった雨宮さんとか、まだみんなこの世にいますけど、でももう会うことができなくなった人もそこに加わってくるみたいな、そういうエッセイ集です。

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