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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

おそうじ貯金

2006年08月27日(日)

 2000年の秋。ちょうど「楽隊のうさぎ」の連載を終わったとき、何とか部屋を片付けたいと思いました。大学の授業を8コマやりながらの連載は正直言ってしんどかったのです。そのしわよせはむちゃくちゃな部屋となって残りました。が、2000年秋にちょっとした騒動が勃発。休暇のつもりの半年が吹っ飛んでしまいました。で、部屋をすっきりと片付けられないまま「うさぎとトランペット」の連載に突入。

 「楽隊のうさぎ」はなぜか朝日新聞連載と勘違いされていることが多いのですが、関東では東京新聞連載でした。きっと吹奏楽コンクールを主催しているのが朝日新聞だからでしょう。で、「うさぎとトランペット」は2003年4月から公明新聞連載だったのですから、その間が約2年あるのですが、とても部屋の中を片付けるなんて気力はなし。2004年3月に連載を終えて、やや焦りました。なにしろ、部屋の中に置いたものがやたらになくなるのです。散らかりすぎていた何がなんだか解らないという状態。04年から05年は、応急的な片付けに終始しました。

 今年になってからようやく片付けの効果というか抜本的な片付けで少しずつできてきました。世間にはゴミ屋敷なるものがたくさんあるのですが、ある年数が経過してしまうと、片付けるということがひどく無意味になってしまうことがあるようです。片付けるというよりも放り出すといったほうがいい状態になってしまうみたい。

 で、結論を言うと、今年の夏休みになって、ようやく片付けて効果が少しづつ、現れてきました。私はこれをお掃除貯金効果と呼んでいます。お掃除貯金効果が現れると、だんだんと利子のような具合に加速も出てくるので、少し楽になります。さて、今年の年末までにどのくらいのお掃除貯金効果が現れているのか?来年の5月にはまた静岡新聞の連載が始まるので、今年、いささか作ったお掃除貯金効果はふっとんでしまうかもしれません。なんて思ったらいやになってしまうので、それか考えないことにします。

 昔から不思議なのですが、なんで締め切りが近づくと家のなかがめちゃくめちゃになってしまうのでしょうか?自分で散らかしているとは思えない乱雑な状態になります。家族がいなくて独身の時は、締め切り→大掃除→締め切り→大掃除のくり返しでした。残りが少なくなった夏休み。なんとかお掃除貯金を増やしたいものです。

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