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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

へんな組み合わせ

2006年01月10日(火)

 アンチー・ミン「マダム毛沢東」(集英社刊)とジョン・アービング「第四の手」と「コンフォルト」増刊「日本の間取り」というへんてこな組み合わせで本を読んでます。どうも頭はまだお休みモード。しなければいけない仕事は放り出したまま。本を読んでは居眠りをするという生活。

 毛沢東夫人の青江は四人組裁判の時の強烈な強気の姿勢が目に焼きついています。アンチー・ミンはその青江が指揮した革命劇の主役に抜擢された女優で、今はアメリカに亡命しています。青江の伝記ではなく小説。小説だから心境が書かれていて、これは想像するよりほかに仕方のないものなので、青江の伝記よりも、小説という表現手段のほうが適切なところがありそうです。

 ジョン・アービングの「第四の手」は「ガープの世界」の発端の父親バージョンみたいな感じと言ったらまずいでしょうか?まだ読み終わっていないのですが、一人の男が世界の傍観者から、世界の一部分になってゆくプロセスを描く物語。主人公の男がテレビマンというところが、アービングらしいも象徴性の持たせ方です。

 「日本の間取り」は日本の間取りというものが、いかに近代の生活意識を変え、家族関係を変化させ、個人の捉え方を変えたかを具体的に住宅の間取りから考えているところがなまじの小説を読むよりもおもしろく読んでいます。

 自分でもへんな組み合わせだと感じますが、何か共通項があるようで、この三冊をぐるぐる回りながらちょこっとづつ読んでいます。

 深夜の東京の雪が降り出しました。午前3時。目が覚める頃、たぶん午前9時頃だろうけれども、あたりは白く染まった世界になっているかもしれません。ニュースには20年ぶりの寒波とか30年ぶりの豪雪による自衛隊出動なんて文字が見えますが、うちの娘や息子は赤ちゃんの頃の記憶はないので、生まれて初めての寒さです。

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