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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

インドの朗読会

2005年06月17日(金)

 朗読会って詩人はよくやる人もいるけれども、作家はあまりやりません。ただ、例外的に外国の作家のシンポジウムを開いたりする時は、お互いの作品の音の感触を確かめるために自作を読みあったりします。その場合、あらかじめ読む部分の翻訳を相手に渡してあります。

 インドのカルカッタで松浦理英子さんが自作朗読をした時は、英語の翻訳を読んでました。日本語の自作朗読だと、とてもじゃなくけれども、顔から火がでちゃうくらい恥ずかしいっていうことで、英語の翻訳のほうは選んだということでした。で、ただ英語の翻訳を読むだけじゃ寂しいので、小熊英二さんが「音」を付けることになりました。

 小熊さんは歴史学者ですが、ミュージシャンでもあるとのこと。で、急遽、音を付けるのにどうしかたというと会場のあるものを片っ端から叩いていました。カバンとかソファーとか鉄の柱とか、ともかくいろいろ叩いてみて、松浦さんの作品の内容に即した音がでそうなものを探して、朗読とあわせて行きました。会場はカルカッタ市内の出版社が経営している本屋さんでした。

 このリハーサルの様子がすごくおもしろかったのを覚えています。おもしろいから日本でもやってみたらどうかというと、松浦理英子さんは「絶対やだあ!」という返事でした。その気持ち、解ります。

 カルカッタは石を投げれば詩人に当たると言われる町で、自作の詩を読む朗読会は野外で、時には20000人くらいの人を集めて開かれることもあるそうです。

 ううん、20000人はすごいなあ。詩人の谷川俊太郎さんも20000人の前で朗読をしたことがあるそうです。こちらは後楽園ドーム。それもすごい。

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