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散り行く桜。
2011年04月15日(金)
これから3ヶ月ぶりに大阪に行きます。今年は寄り道や道草をしたいなあとお正月に考えていたのに、震災以降、すっかり家を離れたくなくなっています。関東を離れたくなくなっています。うちにいれば大丈夫ってわけではないのですが、臆病で殻に閉じこもるタイプだから(うそだろうって声が遠くのほうから聞こえているけど)こういうことになると、どうしても遠くへ行きたくないなあという心境になります。
外濠の桜は満開を過ぎて散り始めました。夜は節電のために、街灯のあかりも少ないのですが、暗闇の中でもお花見を楽しんでいるグループがけっこうあります。飲めや歌えではなくって、ひっそり語らっているようなお花見。でも、泥酔してのびてしまった静かな人もちらちほらり。お壕のカナル・カフェは満員でした。やっぱりお花見の頃に入るのは無理なのね。夏になったらデッキでビールを飲みましょう。
若い人に誇らしい東京の姿を見せておきたいような気がしているのは、たぶんちょっと過剰な感傷です。東京は悪口を言われっぱなしみたいな気がするのは、やや被害感情旺盛かしら。誇れるものも、素敵なものもたくさんある町なのに、文句ばかり言われてきたような、そんな気がしています。東京の桜といえばソメイヨシノ。ソメイヨシノの寿命は50年くらと、樹木としては短いのだそうです。1945年戦争が終わったあと植えられたソメイヨシノはそろそろ寿命。靖国神社の桜はそれぞれに樹を寄付した団体や人の名のプレートが入っているのですが、ひとつひとつ見ていると昭和40年代に植えられたものが多いようです。戦争が終わって20年過ぎたころ。その桜もそろそろ老木になり始めています。そう考えると、戦争が終わって14年目に生まれた私は東京の桜がもっとも華やかに威勢を誇った頃を生きてきたのでした。
最近の桜の流行は枝垂桜のようで、法政大学のボアソナードタワーの前にも1本新しい樹が植えられて花をつけています。まだ細い若木。枝垂桜はソメイヨシノよりも成長は遅いけれども寿命は長いのだそうです。だから、枝垂桜が華やかな東京を、私が見るためには想像力を駆使しなくちゃいけないようです。長生きをするって手もあるけど、想像力で眺めたほうが楽しいような気がします。
昨年の春、寒い春で、咲いた桜が散りかねていました。今年の桜はここ20年ばかりの間では遅い開花だそうですが、80年代までは、4月7日8日の入学式の頃に満開になっていました。地球温暖化とは言え、3月下旬と4月下旬では夜の気温が大幅に違いますから、今年くらいのタイミングで満開になってくれるほうが夜桜見物には都合が良いわけで。昨年とはうって変わってなんだか昔の幻を見るような爛漫の春でした。その桜も花の脇から新芽が芽吹いて散り始めました。
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