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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

アダプタと

2006年05月17日(水)

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アダプタ ああ、忙しいですか?
私    まじめに考えたら、すごく忙しい。
アダプタ 考えないと忙しくないの?
私    何かをしなくちゃいけない直前まで忘れているから。そうすると、まあ、ごまかせるわけです。
アダプタ 自分をごまかすというやつですね
私    そんなことを言うとまた机の奥になげこんゃうからね。うるさいやつだなあ。
アダプタ どうぞご勝手に。机の奥って住みやすいんですよ。けっこうともだちもできるしね。 

今年もバラの季節

2006年05月16日(火)

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 今年もバラの季節になりました。同じバラ科でも桜の花だとみんなでうきうきという感じですが、バラはひとりでウキウキという感じです。ご近所にもすばらしいバラが咲いているのですが、なかなか写真を撮ってきれいに写る晴れた日がありません。この赤いバラはうちの庭に咲いたものです。

警察の大衆迎合と共謀罪

2006年05月15日(月)

 小泉内閣が成立した頃、ポピュリズムつまり大衆迎合的だという批判がしきりになされました。そうした傾向がまったくないわけではなかったのですが、経済政策ではあまり大衆迎合的なものは感じませんでした。が、小泉内閣が終わりに近づいて現在から振り返ってみるともっともその傾向が強く現れたのが警察関係でしょう。小泉内閣になってから、何か騒ぎが起きると必ず警察が登場して、マスコミの関心が消えるというパターンが続いています。言論がおおかみ少年状態になっていて、おおかみが来ていないのに「おおかみがきたぞ」と叫び、ほんとうにおおかみが来たときには、聞いてもらえないどころか、声もでなくなっているという具合に見えます。

 鈴木宗男事件、辻元清美の秘書給与流用事件、ライブドアの風説流布など次々に逮捕者が出ています。耐震偽装事件に至っては、関係者が逮捕はされたものの、全て別件逮捕という状態です。鈴木宗男も辻元清美も国会議員に戻っていますし、ライブドア事件はこれから公判が始まれば堀江貴文と検察の間でかなりもめることが予想されます。耐震偽装に至っては、果たして耐震偽装そのもので立件できるかどうかかなり疑問です。「なんだか逮捕されたので、これで悪い人がつかまってめでたしめでたし」という素朴な庶民感情を利用されているようで、気持ちが悪い事件ばかりです。
 それでも、司法がそれなりに機能していれば、法治国家の原理原則はかろうじて守られることはできるのかもしれません。

 今週、国会では「共謀罪」についての論議がされるとのことですが、もともとは国際的なテロや麻薬取引を規制するために、作られる法律です。が、政府はこれを犯罪予防としても使おうとしている意図があります。振込み詐欺の予防などに適応しようとする意図、市民運動の行動を規制しようとする意図などを感じます。一方、言論の世界では盗聴法や個人情報保護法の時のような、危機感が少ないのはなぜでしょうか?

 「悪い人が逮捕されてめでたしめでたし」というような素朴な庶民感情をもっている人々はその反面で、おどしに弱いのです。だから「何々罪」になるぞとおどされると、そうした罪が適応される要件が備わっているかどうかなど関係なく、おびえてしまいます。弁護士などの専門家がいれば、そうしたことはある程度、防げるかもしれませんが、ライブドア事件や耐震構造偽造事件のように警察の恣意が強く働くとなると、それも信用できません。
 
 それから、マンションを作るとか道路を通すとか、そういった事業に伴う紛争をいろいろ見ていると、お金と社会的地位があって、法律や行政に明るい人が住んでいる地域と、お金も乏しければ社会的地位もない人が住んでいる地域では、いろいろな条件を交渉する場合、あきらかに前者が有利です。知恵も金も人もいるという状態が出来上がっているのですから。そういう不公平を見てきました。そのうえに今度の国会に提出されているような共謀罪などできたら、もっとろくでもないことになるでしょう。

 私は盗聴法の時も、個人情報保護法のときも、反対の署名を求められましたが、署名しませんでした。今度は誰もどの団体も反対の署名を求めてはきませんが、反対を表明します。刑法上の罪は犯罪が行われて初めて問われるという大原則は守られるべきです。犯罪予防は安易に刑法に頼るべきではありません。

真夜中に飯田橋から御茶ノ水まで歩く

2006年05月14日(日)

 ゼミ飲みでした。で、そのあとカラオケをやろうということになって、ごちゃごちゃしたあげくに、やすいカラオケがある御茶ノ水まで歩こうってことになりました。歩きました。飯田橋からお茶の水まで。

 東京に住んでいると交通機関を利用してしまうから、なかなか地理が頭に入りません。だから、地理感覚から言えば、こんな大都会にいても、田舎の山の中の小さな村に住んでいるのと変わりがないのかな(自分の身の回りしか知らない)と言う状態になっていることがあります。で、ゼミの諸君は「歩こう」と言った「たとんに御茶ノ水って遠いのかしら」「それどこ?」っていう反応だったのですが、まあ、歩いてしまいました。真夜中ですからゼミの体力旺盛の若者が周囲を囲んでいてくれなければ、歩く気になれなかったでしょう。

 バブル後の長い不況なんて、よく言いますが、バブルの時よりもそのあとの不況時代のほうが都心の再開発が進んでいるのを、歩きながら目の当たりにしました。昭和30年代から40年代に建てられた木造モルタル作りの建物や、天井の低い小さなビルがすっかりなくなって白い壁を持つ大きなビルと、なんだかまだ街に馴染めない様子の木が生えている広場に変わっていました。古い建物は、新しい建物の威容に羞じるように闇に沈み込み、新しい建物は夜の闇の中でさえ、街との折り合いがつけられずに浮遊したがっているようでした。

 闇の中で浮遊したがっているような新しい建物の傍らを通り杉ながら、考えたことは、私が学生時代に見た街は戦争の焼け跡から立ち直って、ほっとした表情を見せている街だったのだなと、改めて思いました。その時は年齢が若かったためかもしれませんが、街が見せる充足感をそうした流れの中で感じ取ってみることができませんでした。私が大学生になったのは戦争が終わって33年目でした。それからまた27、8年の歳月が流れたのですが、新しく出来た街は、個人の充足感よりも、組織の力を感じさせるもので、そこが何か浮遊感に繋がっているのかもしれません。再開発されたビルの上部には人が住む分譲マンションもあるようですから、これからほんとうに平和な時代の東京の味が生み出されてゆくのでしょう。

 日大図書館もすっかり新しいビルになっていました。レンガを積んだような厳しい建物から、ガラスを多様した軽やかな建物に変わっていました。昔の建物が知識や理性の厳しさを表したものなら、新しい建物は、知識も理性も誰にでも利用できるものですと言っているような感じです。日大に通っている娘に聞いたら、新しい図書館はすごくつかい易いということですが、街の人は寂しがっているよと言う話でした。それから、新しい図書館はその外見とは違ってずいぶん丁寧なセキュリテーシステムが整っているということでした。

雲丹の貝焼き

2006年05月12日(金)

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 岩手県や宮城県にも同じ雲丹の貝焼きがあるそうですが、青森の市場で買ってきた貝焼きです。貝焼きと言っても、蒸した雲丹です。はまぐりの底までびっしりと雲丹が詰まっています。これひとつで、雲丹ご飯を4合以上炊けます。もうすぐ、雲丹の季節。でも貝焼きは冷凍保存できるから一年中買うことができます。1個700円は安い!

大家さん、大家さん(伊藤です)

2006年05月11日(木)

200回おめでとうございます。

きのうルクツゥンで大家さんのおかきになったSAYURI評読んで、あたしも感想かきました。伊藤製作所をのぞいてみてください。お茶もお菓子も用意してございます(こないだ日本で「通りもん」買ってきたんですよ)。

こんにちは。ああぁ、200回じゃなくて500回なんですけど。ま、いいか。あとで、そちらにお茶を頂きにきますね。(中沢)

こりゃまた失礼をば、いたしましたっ。祝500回。(伊藤)

アダプタとおしゃべり

2006年05月10日(水)

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アダプタ あー、「豆の葉」が500回になりましたね。200回のときみたいにお祝いしないんですか?
私 ええとねバンザイの絵文字の書き方を忘れちゃったの?
アダプタ 何でも忘れちゃうんだね
私 忘れるのは人間の持っている優れた能力だからね
アダプタ でもごはんを食べるのを忘れたりしないね。
私 だからあなたの立ち姿に似て来ちゃったじゃない。

アダプタ 伊藤さんがお祝いを言ってくれました。500回なのに200回と間違えているけど。
私 ここもそれだけ賑やかになったってことでしょう。お祝いを言ってくれる人がいてうれしいもん。
アダプタ 僕もお祝いをいいます。
     500回おめでとうございます。
私  アダプタ君、ちょっとのんびりしすぎ。そういえば豆ちゃんはどうしているんだろう?
アダプタ マージャンしているんじゃないかしら。

海に突き出した突堤

2006年05月09日(火)

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 上総一ノ宮の海岸にできた突堤です。侵食を防ぐためなのだそうですが、兼官としてはあまり美しくありません。こうした突堤が何本も海に突き出しています。

青紅葉

2006年05月08日(月)

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 下布施の土地は大きな木が生えているところという条件で探しました。大きな木ってどのくらいの大きさかってのはあまり考えていませんでしたから、大岡玲さんに「木の上に風呂場が作られようなやつね」と言われた時はちょっとびっくり。そんなバオバブの木みたいなのを考えていたわけではありません。

 これから苗木を植えても、木が大きくなる前に私が死んでしまうかもしれないから、もう育った木があるところがいいと考えたのです。で、みつけたのは紅葉の木のある土地。今は青紅葉です。紅葉は低木でそれほど大きくはならないのですが、幹が太くなるまでには相当な時間がかかります。敷地の中にはかなり弱った桜の木もありますが、こちらは本体は病気にかかっていますけれども、わきから若い幹が伸びていて、それがけっこう太くなっていました。

 紅葉の木のわきに風呂場があったのだそうです。でお風呂に入りながら紅葉を眺めるのが、この土地の持ち主の楽しみだったと聞きました。木の上じゃなくて木の下です。

ほんとはかわいいアダプタ

2006年05月07日(日)

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 嵐の夜です。風が騒いでいます。昼間、銀座のデパートでポロシャツを選んでいたら、店員さんたちが「嵐だって」と話していました。いいお天気なのでにわかには信じがたかったのですが、予報どおり嵐になりました。

 昨日のアダプタは写真のボールペンと比べてもらえれば解りますが、ほんとはこんなに小さいんです。おまけに一人(一匹?)では立つこともできません。いつも机の上で、ぶつぶつ言いながらうろうろしています。いったい、何時こんなところに移動したんだろうって思うくらいに妙なところにひょこっと立っていたりします。

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