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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

タケの訴え

2011年09月20日(火)

野生のリンゴが生ってるところがあって(だれも知らない公園の裏)今年もそこにリンゴ狩りにいこうとしたのだが、毎年へいきで行っていたのに、今年のタケにはちょっと酷なくらい遠い。ゆっくり歩けばOKかと思ってだましだまし行こうとしたが、道半ばで(1/5くらい)タケがびっこひいてかなしそうな目でこっちを見るのである。それであきらめて帰ってきた。しかし車に近づくにつれ、タケのびっこはなくなり、ふつうに歩けるようになり、そういえばと思い出したのが、まだ若かりし頃のタケ。散歩していて、もう歩きたくなくなると、すわりこんで足をさしだして「あしがいたいの」と訴えた。S子やあたしが、どうしたどうしたと言うと、もう片方をさしだして「こっちのあしもいたいの」と。で、じゃもう帰ろうかというと、ぴょんと跳ねあがっていきいきと歩き出したものだ。おそるべし、ボケてもまだあの技能が残っていたとは。きょうは公園にいくとき、車に乗り込むのに失敗してしばらく座り込んでおった。だいじょうぶだから、みんなやることだから、となだめて、なぐさめて(おもらししたときの父みたい……)車の位置を変えて乗り込みやすいようにして、再トライさせたのである。でもまた帰りに失敗してしょげた。夕方の散歩はちょいとそこまでの短いのだったが、家を出て5歩くらいしたら、タケが歩くのをやめたので、しかたがない、いったん家に帰ってタケだけ入れてまたニコと出直したら、近所の犬に襲われた(いつも襲われる)。タケがいなくてよかった。

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