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旧友と蟹ケーキ
2014年04月18日(金)
つれあいの学生時代の友人は、つれあいと同じくらいの年頃の女で、夫も同じくらいの老人だった。待ち合わせたレストランについてすぐ、つれあいはトイレに駆け込んでいき、あとからCとあたしが車から出たところ、少し向こうに停めた車から出てきた小柄な、白髪の、脚のわるそうな高齢の女がこっちをじっとみつめているのである。××ですか? ときいたら、そうだと答えた。そこにつれあいもトイレから出てきて、テーブルについたのであるが、××はひたすらつれあいに向かい、熱心に、学生時代のあれやこれやをしゃべりまくっていた。それはつれあいはほとんど忘れていることのようだった。つれあいはこの再会にあきらかにショックを受けており、ショックを受けてるということを××にはひた隠しに隠していた。帰りの車の中でつれあいが言うには、「非論理的な頭で考えていたのだ、あの頃と同じような生き生きしたきびきびした若い女がやってくる、と」。それじゃ論理的な頭ではどう考えていたのかと聞くと、「ばかなことに、なんにも考えていなかった」と言った。××は、学生時代のことを、あの時代のことをかいておかなくちゃいけないと思うと強く主張し、今、回想録を書いているのだと言っていた。かいたら送るわね、みたいに言われて、あいまいに「ぜひ」とかなんとか言ってたつれあいであった。まあしかし、そのレストランのクラブケーキはおいしかった。蟹肉を少しのつなぎで豪華にまとめて、丸めて焼いた料理である。『検死官』シリーズ(舞台はまさにこのへん)にも出てくるクラブケーキ、ケイ・スカーペッタが、懇意の魚屋で、作り方も教えてもらいながら蟹肉を買うところが印象に残っている。
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