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「のだめ」からパパゲーノにはまる
2014年03月20日(木)
すごく落ち込むことがあって(別に理由はないのだ。食あたりかも)ちょうど見ていたYouTubeの魔笛のROH版の最後のほうのSimon Keenlysideのパパゲーノの絶望シーンにもらい泣きして、それから1〜2分で「ぱ、ぱ、ぱ、ぱ」の歌がはじまって、大笑いして、ほんの5分くらいのうちに泣き笑いしたら、気持ちがすっかり浮上して、それからそればっかり見ている。お勝手してても、ベッドの中でも、仕事中も見ている。なぜそんなものをちょうど見ていたかというと「のだめ」の24巻と25巻が魔笛やってるのである。どんなんだっけーと思って見てるうちにひきこまれたというわけだ。ありがたいことだ、こうして漫画に救われる毎日だ。しかしいろんなとこのパパゲーノを見てみたが、ROHのSimonにかぎる。よそのは、バカっぽかったり、クドかったり、シツコかったりするが、Simonはただのやさぐれた鳥刺しだ。笛ふいて「いち」(ドイツ語)また笛吹いて、「に」という。そのときのうつろな目。そしてそのあと笛はやめて、ゆっくり口笛吹いて、「さん」とつぶやいたときの目が、絶望を見据えていて、たまらないのである。何回見てももらい泣きする。そしてあとで出てくるパパゲーナが、よそのどこのパパゲーナより豊満で、山折先生が言っていた「マリリンモンロー」とか「ルノワール症候群」なのだ(『先生!どうやって死んだらいいですか?』山折哲雄・伊藤比呂美 文藝春秋を参照のこと)。この女とこの男なら何十人も子ども作れるだろうと確信して、自分が作ったような気になってものすごく幸せになる。
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