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父とカレーと飛行機
2012年04月10日(火)
「おまかせ」にすると「カレー」にされてしまうといって、父が不満を言う。何回も聞いたが(だから主任のS村さんに伝えて、対処してもらうようにしてあるが)また言っている。きのうごはんを食べながら(リクエストは生卵かけごはんと明太子。それになすの味噌汁と白菜の漬け物)「Nのじいさんがヘルパーさんとケンカしたっていうけど、わかるよな」と言い出して、何々してくださいと頼んだらあたしたちはプロですからちゃんと何々してありますといわれてむかっときた、それ以来「おまかせ」にしているが、そうするとカレーなのだと。「やっぱりむずかしいよ、人間関係は」と。カレーばっかりというのは同情するが、父のほうも昔どおりの父とはいいがたい。おそろしく短気に、狭い範囲しかみえなくなっておる。これとあれがぶつかるとむずかしいだろな、それは。 「この人はほんとによくやってくれた」とお気に入りのヘルパーKさんのくれた鏡を撫でて。Kさんはご主人の転勤で沖縄にいった。「今どきは転勤でたくさんもらえるのかな」と。「おれのときは500円もらった、満州に転属したとき。ふつうの給料が200円のときだから」「熊谷から飛行機でいった、松江でとまって、大連まで。二人乗りの飛行機に一人で乗っていった」。熊谷から松江までどのくらいかかるの?ときくと「1時間」。そんなわけないでしょう、飛行機も小さいし、遠いし、というと、むかっとしたようなので、そのまま話をつづけることにした。「一人だから下を見ながら飛んで、島があったら、見て来ようって寄り道して」「島の上をぐるーっと回って、戻ろうとしたらプロペラがとまっちゃった。ガソリンが切れちゃった。補助タンクに入ってるからそっちに切り替える」「落ちていくから、そこでぐいっと(機首をしゃくりあげるように旋回)やってプロペラが動いた」「そういうことはなかなかできない、おれだからできた」「だいたい1000メートルくらいのところを飛んで、1秒間に200メートルくらいずつ落っこちていく」「そういうことは本にはかいてあるけど教わらない、おれはほんとにそういう機転がきいたな、うまかったな、機転がきかないとおっこってそれまでだよ」「まああんたたちが車運転するのと同じようなもんだよ、こわくないよ」
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