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タケの落とし文
2012年01月26日(木)
タケが、かったるくてかったるくてしかたがないように歩く。そもそも散歩にいこうと誘った時点で、気がつかないか(耳が遠い)その気がない。犬クッキーをちらつかせるとよっこらしょといいながら立ちあがる。ニコはその時点で、あたしの足にうしろから体当たりしながら(だからときどき膝の裏に命中して、かくんとなる)あたりを飛び跳ねており、リードをつけようとすると喜びのあまりからだをくねらせるのでなかなかリードがつけられない(というのを毎日くりかえしておる、学習しないのである)。しかしタケにはリードはつけない。つけると、家を出たところで固まってしまうからだ。リードをつけなくてもかたまることはよくあるが、クッキーをちらつかせればしぶしぶ歩く。少しいってまたクッキー、それが欲しさに小走りになることさえある。むかしはクッキーなんてやらずにどこまでも歩いた。あたしは甘いのでいつもポケットにクッキーを入れておき、呼んで来たときなどやっていたのだが、ちょっと前には、やっぱりこうしてクッキーでつって歩かせるようになっていた。今、売り出し中の隣の分譲地が、まだ作りはじめて土地の造成をやっていた頃だ。そうやって歩く老犬を見て、工事のおじさんたちが笑って、いちいち袖の下を受け取りながら歩くのかいなんて話しかけてきたものだ。でもその頃は、20メートルくらいで1こ、てな割合だった。今は10歩で1こだ。そうして歩きながらうんこをぽとぽと落としていく。おしりをつぼめずに、ただ歩いているのにうんこをするようになってからだいぶ経つ。だから気をつけていないと、拾えない。きょうも、歩いてると思ったらうんこしていて、うしろに歩幅間隔でぽつんぽつんと落ちておった。あわてて拾いにもどって、みつけのはひからびかけて車にふまれたうんこの群れ、やはり歩幅間隔で落ちていた。ぜったいタケのだと思って、新鮮なのといっしょに拾おうとしたら車にふまれてぺしゃんこになってひっついているんだな、これが。ああたいへんであった。袋がやぶけて爪のあいだにいっぱい入ってしまった。
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