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父と風邪とSageのケーキ
2012年01月24日(火)
ある日父と気持ちのいい会話ができて、ああやっぱりおとうさんだなあと思うとする。あたしもよくやってる、おとうさんをちゃんと支えてあげてるのかもと思えるとする。しかしそのつぎの日に電話すると、父は前の日のいきおいはどこにもなくなり、あーとかうーとかしか言えない年寄りに老い果てていて、娘のことなんかどうでもよくなっていて、自分が死んでるのか生きてるのかもわからないようすになっている……ときがままある。なんにも、なんにも、常なるものはないということだ。きのうの父は、あたしが風邪がひどいといったら「早く寝るんだよ」と何回もいった。母みたいだった。母は言ったが父は言わなかったことだ。風邪があんまりひどいので、明日予定していたサンタバーバラ行きはS子が代わってくれることになった。つれあいの講演なので、あたしはただの運転手。きのうは買い出しにいったS子とトメが、母のために、Sageのケーキと、カリフォルニアロール(好物、握りのおすしより好き)と、カラムーチョ(こういうジャンクなものが好き)と、大福を買ってきてくれた。ぜんぶ食べた。Sageのは、ひさしぶり、さつまいものプディング、これは苦すぎるカラメルが「くーーーーっ」というほどいい味を出しておる。いきなりオトナの世界にひきずりこまれる。まわりが柔らかくて低刺激なので、よけいに度肝をぬかれる。もう一つは客がそれをめぐってバトルしているという「ナポレオン」このカスタードがまた、「ちょーーーっ」というほどオトナのカスタード、こんなカスタードがクリームパンに入っていたら不穏で不穏で心がざわめいて、毎日食べていられないなと思うほど。しかし、このところZionのパン屋のクリームパンにうつつをぬかし(これはクリームパンとしては絶品といえるんだけど)Birdのカスタードを作ってたべていたあたしとしては、たまにこういう最高級品を味わってしゃっきりしないとオトナとしての矜持を忘れてしまう……って何をいってんだかわかんなくなった。とにかくすばらしいということだ。
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