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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

街ががらんとしているので

2004年12月17日(金)

 目が覚めるとどあんどあんと風の音がしていました。冷たい北風のようです。

 街を歩いていると、暮れだというのにがらんと寂しい感じがします。あんまりがらんとした感じがするので、アルバイトをしている学生に聞いてみました。まず、スーパーでアルバイトをしている学生は「ぜんぜん、売れません、今年は赤字です。でもこしひかりは売れるんです」と言っていました。キャバレーでボーイをしている学生は「売り上げは去年の同時期の四割です。このまま行くと冬が越せずに、春になったら店が潰れて、僕は失業しちゃいますよ」とぼやいていました。

 台風、水害、地震、異常気象、こういうものが人の気持ちに与える影響は通常の経済指標には入ってきません。が、スーパーへキャバレーの売り上げには響いてくるものです。今年のクリスマスデコレーションは「青」が流行なのだそうですが、その「青」も溌剌とした色というよりもなんだか寒々しい印象をより倍加させているように見えます。きっと多くの人はおうちでおいしいお米でもごはんに炊いて静かにこの災難の多かった年が終わるのを待っているのでしょう。

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