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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

四天王寺の桜

2009年04月03日(金)

 以前、四天王寺に行った時はちょうど4時の閉門時間で、西門の鳥居だけを見て帰ってきました。四天王寺はお寺だけど、西門に鳥居があるのです。あたりは上町台地とか夕陽ヶ丘を呼ばれている高台で、西門の鳥居は極楽浄土に通じているということです。西門のそばに陀羅尼助をいう薬を売る店があって、ああ、ここは吉野にも通じているのだなと思いました。それで、今度はちゃんと境内に入れました。

 中世まで遡ると、四天王寺のしたまで海が入り込んでいたみたいです。四天王寺から住吉大社の前をとおり、堺まで路面電車が走っていますが、その電車の線路がだいたい中世の海岸線のようです。埋め立てが進み、海は遠くなりましたが、実際にその場所に言ってみると、昔の地形が別の姿をして残っていることがよくあります。吉田兼好は徒然草に「辺土のもの」はすべてかたよっていてあまりよろしいものはないけれども四天王寺の舞楽だけはすばらしいと書いています。京の都からみれば天王子あたりはもう「辺土」だったのですね。田舎じゃなくて辺土。そう言う兼好法師はわざわざ関東まで下ってきているいますが、それこそ地の果てにくるような感じだったんでしょうかねえ? 兼好法師が褒めた舞楽は4月22日にあるそうです。石舞台があって、そのうえで舞楽が行われるとのことでした。見てみたいものです。

 写真は方丈という建物から庭の桜を見たところ。この日は曇りで、私のほかに桜を見物する人は誰もいませんでした。桜もまだ2分咲き3分咲きといったところでした。

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