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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

豊後水道を横切って

2007年11月03日(土)

 大分に行ってきました。と言っても木曜日4限まで法政で授業をして、金曜日の6限までに戻ってくるというスケジュールでした。

 帰りの大分空港で、熊本の伊藤さんのところまではきっとレンタカーを借りればすぐにいける距離なんだろうなあと思いつつ、でも、伊藤さんはカリフォルニアに帰っちゃったからなとか、何とかぶつぶつと大分の空港で考えていたら、飛行機がすべて飛んで行ってしまいました。はて、私はいったいどの飛行機にのるべきだったのだろう?

 へんだな? と思って、空港職員にチケットを見せると
「お客様の御搭乗の飛行機は14時15分から18時10分発に変更になっています」
 という返事でした。もしかすると、どうも同行者のチケットと私のチケットを取り違えて持っていたみたいです。
 セキュリティチェックも済んであとは搭乗するだけだったので、一瞬にして頭の中に三つの考えがほど同時に横切りました。1、わぁ〜い、ばんざい。お天気の良い日に青く静かな豊後水道を飽きるまで眺めていられるぞ! 2、6限の授業はどうすんだ? 3、あと4時間も搭乗待合室にいなくちゃいけないの? ま、そういうふうに3つの考えが浮かんだあとで「どこかでタバコはすえないかな?」と思いつつ、次の飛行機の時間を聞いてみました。

 すると16時25分の東京行きがあるという返事で、ついでに搭乗待合室から外へ出ることは可能だということも解りました。おかげで、というか、おかげさまでというべきか、ともかく、午後いっぱいのんびりと青い青い豊後水道を眺めていることができました。あの青い海の中には関さばや関あじがいっぱい泳いでいるんだろうなあなんて、思っていました。

 そういうわけで16時25分のフライトで羽田まで飛ぶことになって、これがちょうど日没を雲の上から眺めることができる便でした。足の下に夕焼けがあるという眺めです。羽田で飛行機を降りる時、客室アテンダント(昔はスチュワーデスって言ったんだ。私の友達はわざわざスチュワーデス専門の受験予備校へ言って日航のスチュワーデスになった子もいた。今でもあっちこっちの空を飛んでいるのかしら?)が「昼間は暖かですが、夜になると冷え込む季節になりました。皆様、御身体御大切にご旅行下さい」ってアナウンスを入れていました。ほんとうに日暮れの羽田は少し寒いくらいになっていました。

 あ〜、チケットを取り違えちゃったH財団のDさん、夕方、空港について乗る飛行機がなくて驚いていたんじゃないかしら? 私はその頃、首都高で渋滞に巻き込まれていました。

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