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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

昼寝をする海

2007年03月08日(木)

 12月に有明海の岸を車で走ったときには、潮が満ちていましたが、今度は干潟が遠くまで現れていました。春の大潮の季節です。干満の差がいちばん大きくなるのは、お彼岸のころでしょうか?子供のころは家に潮見表などがあって、干満の差を気にしていましたが、このごろはすっかり鈍くなっています。干潟を「ガタ」と呼ぶのだそうです。

 潮が引いて、海の底の砂地には小波の模様が残っています。蟹がたくさん、横歩きをしていました。濡れた砂が日に当たると、磯臭さが一層ましてきます。有明海の干潟はかなりの広さで、どうかすると水平線まで干潟なのではないかと思われるくらいです。向こうに島原半島と雲仙が見えました。海苔がとれるのは、こうした干満の差が大きい海なのですが、諫早湾の干拓で、海苔がとれなくなったというニュースがあったのを思い出しました。有明海では、まだ海苔粗朶を使っていて、干潟の向こうに、粗朶が並んでいました。

 広い干潟を見ていると「海が昼寝をしている」ような気がしてきます。

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