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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

憎しみについて

2007年01月14日(日)

 そういえば、憎しみについて、ってあんまり話す機会がないなあってな話を大学生としました。話題はばらばら殺人事件だったんですけど。あきらかに「憎しみ」の感情が働いていて、鼓してもまだおさまらないって感じのする殺人事件が続いたから。

 で、その時にちょっと思ったのですが、こういう話題って、なぜか今の学生は教員の私と1対1でしゃべりたがる傾向があるような気がするのです。気のせいでしょうか? ふだんの会話を聞いていると、あんまり本心を出して話していないようです。お互いを傷つけないように上手に話題を明るく軽くしているなあと感心します。でも、憎しみについては、真面目に話したいなあと思うことがあるようです。話を上滑りさせないようにして、話してみたいようでした。

 上っ調子に軽く滑る会話を楽しんでいるそのしたに、憎しみがぶつぶつたぎっているような、そんなイメージが頭に浮かびました。憎しみも人間にとっては貴重な感情でしょうから、それを話せないとなるとそれはそれで不自由でしょう。

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