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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

プロ野球観戦の楽しみ

2004年09月21日(火)

 昔、日本ハムに落合がいた頃、誰もいない後楽園で日本ハムの試合を見ていました。観客が少なくてもホームランを打つ落合選手が好きでした。一度だけ試合後にインタビューをしたことがあります。

 プロ野球ではありませんが、明治が東大に負けてしまいました。昨日は祝日ですが、明治大学は月曜日の振り替え授業。月曜日は祝日が多いので、振り替えで授業をしないと時間が足りなくなってしまいます。出講して、野球部の学生さんの立ち話をしたのですが、一場が抜けたのはかなり痛いようでした。ここはひとつ気を取り直してがんばって欲しいと思います。いや、外野席の観客としてはそんなことしかいえないのですが、久しぶりに神宮へ行こうかなという気になりました。春は優勝したのですから。

 落合はいまや中日監督、ついでに優勝もかかっているし、日本ハムのほうは新庄選手がとんでもない大活躍。新庄はアメリカに行っていい意味でのショーマンシップを持ってきてくれました。

 プロ野球はおじいさんやおばあさんと孫がそれぞれの楽しみ方で楽しむのことができるエンターティメントだなあと、スト明けの試合を見て、そういう感想を持ちました。60歳から野球を始めたいという人は少ないでしょうけれども、60歳になったら毎日でも野球を見たいという人も、孫と野球をみたいという人も
大勢いることでしょう。

 プロ野球のストライキの議論を聞いていると野球を衰退産業と見ているとようですが、そもそもそれがおかしいのではないでしょうか。産業の中には役割を終えて縮小に向かう産業も実際あります。かつての石炭産業がそうでした。銀行は大型公共投資への融資からほかの産業への融資にビジネスモデルをかえることをここ10年要求されてきました。そうした衰退産業の整理の発想の延長でパ・リーグの経営が取りざたされているように見えます。それで、良質な観客という大事な財産まで失うようなばかげたことをしているのではないでしょうか?

 日本の政府は海外からの観光客の誘致ということを言い始めています。観光は名所旧跡景勝を訪ねるだけでなくて、スポーツ観戦も含まれます。パ・リーグもほんもののパシフィック(環太平洋)リーグといえるような築き上げることができれば、いっそう、おじいさん、おばあさんと孫が一緒に楽しめるでしょう。

 確かに野球は国民的スポーツではなくなってしまいました。しかし、だからといってもう観客動員はできないかと言えば、そうではありません。観客は国境の向こうにいるということに目を向けてもいいのではないでしょうか?物を輸出することも大事ですが、人に来てもらうという仕事もあります。ネットでホテルの予約もできれば試合のチケットも購入できるのですから、それは不可能ではありません。

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