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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

怪気炎

2006年08月30日(水)

 先日、車でラジオを聞いていたら「私が体験したシゴの世界」という投書を紹介していました。テレビドラマ「Xファイル」の効果音を使っていたので、てっきり「死後」の世界だと思っていたのですが、なんだかへんな感じで、うまく意味がつかめませんでした。2、3本の投書を聞くうちに「死後」ではなくて「死語」の世界だと気付きました。日常的に使う語彙が減ってしまったために、いろんな人がいろんな場面で「死語」の世界に遭遇しているのですね。

 自動車教習所の教官が「あさっての方向を見ていちゃだめだ」と教習生に注意したら「あさってってどの方角ですか?」と真顔で尋ねられたなんて話が投書の中にはありました。そうそう、そう言いました。大事な時によそみをしたり、ぼんやりしていると「何、あさっての方向を見ているんだ!」なんて叱られましたっけ。

 それで怪気炎です。昨日、人から頂戴した本を読んでいたら「怪気炎」が出てきました。おや、まあ、懐かしい。しばらく自分でも怪気炎なんて言葉は使っていませんでしたし、人の口から怪気炎なんて言葉が発せられるのも聞いていませんでした。あっちこっちで怪気炎を揚げている人はいるんですけどね。ネットの掲示板なんて怪気炎だらけで、時には掲示板への書き込みが殺到するだけでなく、関係方面をメールの嵐が襲う「炎上」なんて現象もこの頃はあるそうです。「炎上」があるなら怪気炎も死語にしなくてもよさそうなものですけど。

 時代が変わって自然に死語になってしまう表現があるのは仕方がないことですが、最近の「死語」の世界はちょっとそうした自然の流れとは違うような気がします。「死語」を少し現世に呼び戻してやらないと生活が不便で仕方がない気が私はします。

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