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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

歌が歌いたい。

2006年06月22日(木)

 陶芸家の角りわ子さんの個展に行きました。で、その会場でサンプラザ中野さんにお会いしました。娘は「ランナー」を聞くとなぜか走りださなくちゃいけないような気がすると言っています。小学生の時、運動会の入場行進の曲が「ランナー」だったからです。とは言えご本人にお目にかかるのは初めて。

 4月からやや登校拒否+遊びたいシンドロームの症状を呈していた私は、よろこんで、角さんとサンプラザ中野さんがお夕飯を食べるというので付いて行ってしまいました。サンプラザ中野さんはベジタリアン。ご著書もあります。だからごはんは正真正銘のインドカレー。これが美味しかった。その日のお昼は日本式カツカレーだったんですけど、お料理としては、まったく違う料理です。で、歌が歌いたいって話。

 一曲でいいからイメージどおりに歌を歌いたいなあって、その日からずっと思っています。カラオケで野蛮極まりない声張り上げてるじゃんっていう悪口が聞こえてきそうな気がするけど、そういうんじゃなくて、「聞こえている」とおりに歌いたい。プロの歌手なみに歌いたいなんて贅沢なことは申しません。いつも、思うんだけど「聞こえている」ようには、なぜか歌を歌えないのです。息子は「楽隊のうさぎ」を書くまでは「聞こえてないんじゃなかと思っていた」と言っています。あの小説を読んで「聞こえてはいたんだ!」と驚いていました。だから聞こえているんだってば(怒)でも、聞こえているとおりに出力(歌う)できないの(哀)。

 伊藤さん、熊本着きましたか?今度、二人ですばらしい御詠歌をうたいましょう。私はある時期までほんとうに、もし私が歌が歌えるようになったら、小説がかけなくなるんじゃないかと信じていました。でも、歌が歌えるなら小説かけなくなってもいいかもしれないってこの頃思ってます。英語が喋れるようになったら、小説かけなくなるんじゃないか?という恐れのほうはまだ消えてないんですけどね。

 それにしても歌が歌いえるようになりたい。サッカーみながら「アイーダ」を歌いたい。

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