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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

夜はこれから

2004年09月10日(金)

 漸く、暑さが通り過ぎようとしています。秋は夜が楽しい季節です。

 3年ぶりくらいに自分の部屋を大々的に片付けてます。片付けというよりも発掘作業です。2002年にインドを訪問した時に松浦理英子さんにとってもらった写真が出てきました。デリー郊外の中世の遺跡です。インドの作家に「インドでは若い人はどこでデートをするのか」と尋ねたら「遺跡で」という答えが帰ってきて笑ったことがありました。男女関係に厳しい社会なので、二人で静かに過ごすには遺跡くらいしか場所がないということでした。

 その遺跡ですが、デリーの南側の郊外には中世以来の遺跡が幾つもジャングルに埋もれています。日本だと同じ土地の地下に遺跡が埋まっているのですが、インドでは、遺跡は南から北へ街が北進した様子がそのまま地表のジャングルの中に残っています。私はカメラを持たないので、松浦理英子さんに写真をとってもらいました。河原弘通さんにいただいた赤いハスの写真の隣にインドの遺跡の写真をピンで留めました。

 話は変わって、葬儀用のホールというのが最近、街に増えました。これは、あっちこっちで金融機関が潰れたり、不良債権の補填のために売られたビルで葬儀用のホールになってところが多いことを知りました。その中には不思議な運命の建物もあることを話に聞きました。インドの遺跡と葬儀用のホールがどうるながるのか解りませんけど、なんだか、ひとつながりになりそうな気がしている宵の口です。


 

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