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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

キャミソール

2006年04月26日(水)

 今年はなんだかいつまでも寒くって、キャミソールなんて感じではないというか、うっかり薄着で出歩くとか風邪を引きそうです。キャミソールとタンクトップってどうちがうんだろう?と時々考えるのですが、どうも肩日紐の違いみたいな気がします。服飾事典を調べたわけではありませんが。キャミソールは肩が紐のように細いもの、タンクトップはランニング型のもの。そんんふうに使い分けてはいますが、よく思い出すと例外もたくさんあります。

 最近のファッション雑誌を眺めていると、今年の夏の流行は、1950年代から90年代までの総集編みたいな感じです。というよりも、もう「流行」ってのは古い概念になったんじゃないかと思いたくなるくらい、あらゆるスタイルが出回っているみたいな印象を受けます。こらからは、みんながミニスカートとかみんながキャミソールなんてことは起きないのでしょう。

 私はみんながミニスカート時代に小学生で、ホットパンツなんてのも流行りましたが、みんながタンクトップという時代に大学生になりました。1978年の夏はすごかったなあ。だってものすごく暑くって、それでみんなが(中高年以上は除く)タンクトップだったのですから。タンクトップの大流行。フェミニンなキャミソールはもう少しあとの流行です。流行が多くの人の関心を集めていた時には親のいいつけを守って「流行を追いかけるのは恥だ」って思っていたのですが、このごろは自分の育った時代のセンスに染まって「流行を追いかけるのは楽しい」になってます。でも、それってひと時代前のセンスで(あくまで自分の育った時代)今でもファッションは、はっきり言うと所得格差の表現みたいになりつつあるなあと街を眺めています。そう言ってはみもふたもないのですが、もともと服飾というのはそういう物だったのですから、本来に戻ったのでしょう。

 で、キャミソールなんだけど、これはちょっと高いのが欲しい。高価な品物って、威圧的なところがあって、キャミソールっだと、その威圧的な感じが、まあ、着ている本人を安心させてくれるのです。Tシャツみたいに高いのを買おうか安いのを買おうか迷うことがないです。

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