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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

花屋さんの前を通ったら

2006年03月04日(土)

 昼間出かけるときは軽い服が着たくなる日差しの明るさになりました。花屋さんの前を通ったら、桃の花を格安で売っていました。10日の菊(9月9日の菊の節句が終わったあとの菊)なんて言いますが、桃の花も4日になると格安になるのですね。

 昨日(3日)はすごくへんな日で、午前中は横浜の中華街で、地元のやくざが揉め事の始末をつけている様子をホテルのカフェで目撃。ひと目見るなりやくざだと解るところがすごいのですが、でも午前中から面倒の後始末をするのにみんな集まってけだるそうな様子で、話の成り行きを見守っているところで奇妙でした。十人以上の人がいました。

 それから午後は神楽坂の喫茶店で詩人の井坂洋子さんにばったりお目にかかりました。茨木のり子さんが急折されて、来月の「現代詩手帳」は茨木のり子追悼号になることになったのですが、そのための対談の帰りだそうです。井坂さんとしばらくお話しました。頭の中に午前中のやくざの集会の様子が残っていたせいか、なんだか自分が「情けないこと」を言ったような気がしました。井坂さんは茨木のり子さんが亡くなられたのが、ほんとうに残念だった様子です。

 夜中はなぜか怪電話が……。こんなにいろんなことをあっていいのかなあっていう日でした。あした、丘の上の花屋さんに行って、安くなった桃の花を買い、大きな壷にたくさん生けようと思います。

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