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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

紅葉と桜

2006年02月05日(日)

 どうも「小説家の家」っていう呼び方は自分ではしにくいのですが、今のところはそういう名称にしておきます。そのうちい良い名前を考えたいと思っています。どう考えても「閣」とか「邸」それに「荘」なんて立派なもんじゃなくて「庵」みたいにまっこう臭い感じでもないし「亭」というほど優雅にもなりそうにないので、施主としては考えあぐねています。「小屋」ってのもあったけど、それとも違うし。

 いや、呼び方に悩んじゃましたが、それ!を建てようとしている敷地には大きな紅葉の木があります。それから桜の木。ゆずの木。以前の持ち主はここに家を建てて海に釣りに行くのを楽しみにしていたようです。だから春夏秋と楽しめる木を一本づつ植えていたんでしょう。
夏はとくに木がなくても裏に小さな崖があって、その上が雑木林になってますから、きっと蝉の声もうるさかったに違いないです。木が生えている土地が欲しいという条件で探してもらった場所です。目の前は田んぼが一面に広がっています。難点を言えば、いつもその場所までの道に迷うこと。車で行ってもなかなか探し出せないのです。つまり隠れ家。

 しばらくは「隠れ家」と呼んでおくことにしましょう。桜と紅葉のある隠れ家。でも桜の木古くなって病気にかかっています。これは切り倒して、房総の山に自生している大島桜を改めて植えたいと考えています。大島桜は染井吉野よりもずっと成長が遅いので、みごとな桜の木になる頃は、私はもうこの世にいないかもしれませんが、それもいいかもしれません。そう言えば、館山にあった家を処分した時も最後まで気にかかっていたのは庭の植木のことでした。

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