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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

雪です。

2006年01月21日(土)

 夜明け前から雪が振り出しました。うっすらと積もっているところです。まだまだ降りそうです。

 83年から84年にかけての大雪の時は1月から3月までに東京で30日も雪が降ったそうです。3日に一度雪が降ったことになります。ロッキード事件の判決が出た頃で「新潟三区のたたり」なんて冗談もありました。

 この歳の冬は母と過ごした最後の冬でした。83年の7月に脳梗塞の発作を起こし、後遺症で右半身麻痺が残った母はそれから85年の1月まで入院生活をしていました。83年の大晦日には病院から家のほうに戻ってお正月を家で暮らすことになっていました。小雪が舞ったのは大晦日の深夜でした。

 それから年が明けて、ほんとうに雪の日がよく続きました。母の入院先の病院は所沢のお茶畑に残った雑木林の中にありました。後に産廃銀座なんて呼び名もつくようになりましたが、その頃も雑木林の中やお茶畑の中にはたくさんの産廃処理場がありました。病院の隣も産廃処理場で、しばしば形容しがたい異臭が漂っていることもありました。病院へ続く雑木林の中の道路はまだ舗装されていませんでしたから、雪が降るとタクシーも入ってこられないのです。もちろんバスもありませんから、雪が降ると、タクシーが来てうれる場所まで、0歳の娘をおんぶして(これがぽかぽかあったかくってカイロの代用になった)、1歳のお兄ちゃんには歩いてもらいました。

 その母に聞いた話ですが、終戦の翌年もよく雪が降ったと言ってました。お正月から積もるような雪が降ったという話でした。それから昭和38年の38豪雪。とすると20年おきくらいに大雪の年があるようです。

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