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「誰も知らない」見てきました
2004年08月08日(日)
カンヌで主演男優賞を受賞した「誰も知らない」を見てきました。初日です。午後四時からの回を見たのですが、舞台挨拶があったためか40分遅れの開演でした。午前中に7時の最終回までの切符が売り切れてしまったようです。観客は若い女性が多いように見受けました。予告や広告は全部カットでいきなり本編の上映でした。
1987年に戸籍のない四人の子どもたちが暮らしていたことが解った事件は、私も興味を持っていました。一番小さな子が死んでしまったことから、この子どもたちの存在が解ったのです。家の中を探せばその当時の新聞の切り抜きがあると思います。
映画では焦点は一番上の男の子に当てられています。上映後、「厳粛」と言ってもいいようなしいんとした空気が客席に流れてしました。言葉では説明しにくいので、見てもらうのが一番だと思います。
12、3歳くらいの男の子の成長っていうのはすごいなあとため息が出るくらいのものです。映像がすごくリアルなのですが。同時にピュアで透明で、美しいので、リアリズムのあり方とはなんだろうと考えてしました。
ところで実際の事件では、私は母親がどうやって子どもを生んだのかに興味を持っていました。出生届けを出さずに子どもを四人も生むのはなみたいていではありません。行政サービスを受けることができないのですから、出産後をどのように乗り切ったのかの気になります。都市の中に棲家を変えた山姥みたいな話だなと思ったものです。昔話に出てくる山姥は金太郎のお母さんです。そのあたりは映画では省略されていあますし、また映画の主題でもありません。
母親役のYUOはたいへん評判がいいということでした。なんとなく許せてしまう。あるいは置き去りにされた子どもたちが母親を思うような気持ちと同じ気持ちにさせてしまうところがYUOの演技にはあって、一番上のお兄ちゃんの柳楽優弥と良いコンビでした。
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