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気持ちの良い日
2005年09月30日(金)
さらりとした空気でお天気も良く、暑くもなければ寒くもない。こんな気持ちの良い日が2日も3日も続くのは一年のうちでそう何日もありません。
以倉紘平「夜学生」(編集工房ノア刊)をさる人からお借りして読んでいます。大阪の国語の先生をしていた著者のエッセイです。この本は新聞広告を見たときから読みたいと思っていました。かつての夜間高校の生徒たちへのオマージュ。90年代に入ってからの教員としての戸惑い。読んでいると触発されて思い出すことがたくさんあります。
少し飛躍した感想ですが「貧しい時代」に育った親が「豊かな時代」に生きなければならない子どもを育てるのはたいへんなことだなあと思わずため息が出ました。自分の稼いだお金を工面して少しでも学ぼうとしたかつての夜学生には、同情と共感を示す著者ですが、学校を落ちこぼれて夜学に回ってくる生徒とはうまく付き合えないのです。世の中がすっかり変わってしまったという感想からは「豊かさ」に傷ついている魂に対する想像力は生まれてこないのです。それも無理のないことと言え、著者が詩人でもあって、「なぜ詩が生まれないのか」と疑問を呈しています。たぶん、現代の詩は「豊かさ」に傷つく魂が歌い出すものなのでしょう。しかし、そこは著者の理解の範囲ではありません。
それにしても良いお天気です。
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