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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

あなどり、たかをくくる、かるくみる

2005年08月10日(水)

 東京新聞政治部の高田記者と毎月、即興政治論という対談の連載をしています。畑違いの人と話すのは、お互いになかなかおもしろいです。たぶん、高田記者もそう思っていただいていると勝手に決めています。政治も文学も不特定多数の人に言葉を伝える仕事ですから、畑違いと言っても、よく似ているところがあります。

 この対談は直接の政治状況よりも、もう少し広い視野で政治全般について話そうというコンセプトになっています。しかし、前回は郵政民営化法案の衆議院可決を受けて、その結果をどう思うかというかなり直近の出来事について話しています。校正刷りを見て「大予言みたい(笑)」と言ったのですが、結局、衆議院は解散で、あんまり外れたことになりませんでした。

 次回は「政治評論家」というテーマで話してみたいなあと思っています。そういうテーマが降られるかどうかは解らないのですが、政治評論家の発言には「あなどり」とか「たかをくくる」とか「かるくみる」というニュアンスの発言がけっこう出てきます。

 相手を「軽くみる」と自分を偉く見せられるし、「かたをくくった」発言をするといかにも事情に詳しいような印象を与えられるし、さらに「あなどり」を示せばそこには一時しのぎの安心感が生まれたします。こういう言葉の機能がうまく使えていた今までの政治が、今度の解散で、すっかりへたり込んでしまったのではないでしょうか?

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