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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

鴨川の流れ

2011年07月19日(火)



 淀屋橋のベローチェで土佐堀川の水の満ち干きを少し眺めて京阪電車の特急で、京都の三条まで出ました。40分くらい。電車が地下から地上へ出るのは、京橋のあたり。何度か大阪と京都の間を往復して、電車の窓の外の川の流れを、家々が建てこんだ景色の中から「あのあたりだろう」と追うことができるようになりました。

 淀とか伏見とか、たぶんそのあたりまでは、船で荷物が運ばれたのでしょう。で、伏見を過ぎると京阪電車は再び地下へ。今度は、祇園祭りの山鉾巡航を見物しようと思っていたので三条でおりました。




 三条大橋を渡って河原町通りの方向へ。鴨川にはびっくりするほどきれいな水が流れていました。こんなに水が澄んでいる日があるんだと、ちょっと見とれてしまいました。



 家と家が軒を接していて、その間に細い路地があり、路地の奥にもまた別の家があるという京都の町で、鴨川にかかる橋の上にでると、視界が遠く北山のほうまで開けてほっとします。京都の橋を渡るときは独特の開放感があります。水の流れと空と山と。河原が憩いの場所として生きているのが解ります。



 八坂神社に行った帰りにあんまり暑いので、四条大橋のたもとから、河原に降りてみました。すると、橋の下で若いお嬢さんたちがおしゃべりをしています。向こう岸では川の流れに足をつけて涼む人も、石を投げて水切りをする人も。こんなに大勢の人が河原で涼んでいるのに。白鷺がなんでもない様子でひらりと舞い降りてきました。

 3枚目の写真は四条大橋の下から三条大橋の方向を眺めたところです。歴史の本を読んでいると三条河原に首をさらしたとか。三条河原に引き出して処刑したとか、血なまぐさい記述が出てきます。河原というので、なんとなく町外れのような気がしてましたが、四条大橋の下からその方向を望むと、京のお公家さんや町衆でいちばん賑わう場所を選んでいたのかと、嘆息しました。

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