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阿蘇と犬
2011年09月12日(月)
きのうは「たぬき」の絵本(片山健さんの絵を待っているところ、あたしの仕事は終わった)の最終確認で、F音館のK森さんが熊本にきたので、たぬきの跡を案内するつもりだったのだが、K森さんとは、次に、草木成仏の、薬草喩品の絵本をつくりたいといっていたので、つい、高森の杉に案内し、感動され、つい、手野の水(と大杉の死骸)にも案内し、感動され、そんならこれは?と池山の水にも案内し、感動され…と、いい気になって結局阿蘇の比呂美スポットをぜんぶまわってしまったのであった。薄暮のなか、一心行の桜にもたちよったが、葉のついた桜の木は健康そうなおっさんの風情であった。山道で、思わず道の右側をはしってしまってたいへん怖かった。あたら若い編集者の命を散らすところであった。帰りに山道をくだっていくと(われわれは車で)脚の長めのバセットハウンドみたいな、くたぶれ果てた犬が必死で上りを走っていくのに出会い、K森さんと二人で当惑し、保護しようと車をとめ、外に出て呼んだけど、来ない。それで少し追いかけては停め、追いかけては停め、だいぶ上の方まで追いかけてもどってしまったところ、そこに停車中の車から人が顔を出して、「きたないからさわらないほうがいい」という。そして、走ってきた犬に「オイ」を声をかけて、ぶううと発車して上り道を走っていってしまった(その先には草千里とか火口とかしかない)犬は走って追いかけていった。口調はあきらかに関係者、というか飼い主だったが、なぜ? 犬を走らせ、自分は車? わけのわからない体験であった。きょうはゲルの解体、残した仕事。
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