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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

映画とハドリアヌスの壁

2011年03月03日(木)

おとといは「わたしを離さないで」をDVDでみた。それで摂食障害についてずっと考えていた。きのうは思い立って「ひとりで映画を深夜見に行く」というとっても勇敢な決断をして(前にも一度、つれあいとけんかしたときにやった)10時半からのThe Eagleをみにいった。ハドリアヌスの壁の向こう側というのをどんな風に描くのかを見たかった(ジェイミー・ベルがどんなふうに育ったかについても知りたかった)けど、なんだかぜんぜん満足いかない。ハドリアヌスの壁、こないだ(もう数年前になる)イギリスいったときにも見たかったが予定があわなかった。でもあちこちでローマの町跡をみた。そういえばトリーアでも見た。そして今は「テルマエロマエ」でその頃のローマ人がどんなお風呂に入っていたか熟知しておる。その上、「アーサー王伝説の起源」を読んで、その上「ヒストリエ」も読んで、想像がふくらんでおる。「The Eagle」で描かれた先住民の社会も、踊りも、風俗も、ほんとかなーと疑いの目で見てしまう。いってもせんないことだが、やはり英語しゃべるのである。ローマ人が。先住民たちの言語はいったい何だったのだろう。映画制作の人たちはど素人のあたしなんかが想像するのよりずっとよく練り調べてあるだろうと思うんだが。監督はドキュメンタリー出身なので、ドキュメンタリータッチを期待したが、2世紀のビクト人の生活はドキュメンタリーになるわけなかったのである。映画館はあたしのほかに若い男が一人。うら寂しいとはこのことだ(前につれあいとけんかしたときに見に行った「クレイジーハート」はあたしの他に二人)。こっちの文化全般かうちの文化か知らぬが、カップルがべつべつに映画いくなんてとんでもないってな雰囲気がある。ばかばかしい。映画はひとりで深夜見るもんだ。レイトショーは安くていいし、肴はあぶったいかでいいのである。熊本じゃいつもそうやって深夜ひとりでたのしくみにいっておるのだ。

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