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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

植物の法と猫分隊

2010年03月08日(月)

雨。2年前、近所の公園裏で、じつにかわいいはっぱの繁みをみつけ、移植をたくらんだのである。それはユーカリの大木の陰にもなる、小さい流れの近くで適度に湿ることもある、でも日当たりもよくなる場所にはえていて、一見シダのように繊細で、キク科(カミツレみたいな)みたいに繊細でもあり、色が、ほかのだれともちがって薄い、明るい、あおみがかったみどりなのだ。一株掘ってきて、うちの庭の半日陰に植えてみたらだめであった。去年もそうした。だめであった。ところが、今年はこの多雨だ。いまや前庭いっぱいにひろがっておる。あまつさえ昨日は花も咲いた。みればオオイヌノフグリを簡素にしたような白花である。そこでこの地域の自生植物の図鑑でしらべてみたところムラサキ科のフツウユークリプタというのであった。ムラサキ科はシソ目である。オオイヌノフグリはゴマノハグサ科で、ゴマノハグサ科はシソ目ではないそうだ。ともにキク亜綱ということだ。そういわれればそうかもしれないが、なんか腑に落ちない。おおきくなったら大学にいって、こんどはちゃんと(前回はてきとうであった)勉強したい、とときどき思う。こんどはぜひ、植物学と音楽理論を勉強してみたい。あ、それに仏教哲学も。ともかく移植ができてうれしい。来年はまた雨がなくて、消えてしまうかもしれない。これが、あたしがつねづねいっている「死ぬ」は「死なない」で「死なない」は「生きる」という植物の法である。猫分隊長のA上番頭から、I牟礼さんとこに子猫(T子隊員……推定6か月)をつれていったという作戦成功の報告が(同時に、花分隊のY山隊員と絵はがき分隊のE口隊員も作戦遂行したもよう)。大連詩前に、じつにいい報告が来て、さい先がよい。

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