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スリップと独居老人とエピデンドラム

2008年10月29日(水)

スリップしてた。こんな日記がつづいたしにゃ、読者が閉口しちまうなあ、園芸サイトじゃないんだし、とやっと気づいたあたしである。
ここんとこの植物三昧はただごとではなかった。まるで『ミドリノオバサン』(筑摩書房)書いてた頃の日々がもどってきたみたい。夫の不在で、思いっきりマーキングしたかったのかも。
うんと掃除して、ものを捨てて、片付けて、夫が帰ってきたときにはぴっかぴかの我が家で、「すごい」と言わせたかった気持ちもあるにはあったが、家の中のぐちゃぐちゃは手つかずで、植物の整理整頓と植え替えばかり出来てしまった。数も増えたし。
きのうはついでにエピデンドラムの高芽取り(茎の上に高芽が出るので、それを集めて小鉢に植え込んでやると、そこからまた伸びていく)もしたが、もうこれ以上、何もしないと決意した。父の禁煙のようである。86歳になった父は今、禁煙中。
父(独居老人)と母方の伯母(やはり独居老人)は同い年、一月ちがいの誕生日、こないだ伯母の誕生日に電話して、いくつになったの? ときくと、伯母は「87よ、いやあねえ」といっていた。で、父に、いくつになったの?ときいたら「もう85だよ、おれは」といっていた。おかしいじゃないか、計算が合わないじゃないかと思い、計算してみると、実は二人とも86である。この年になると、年取ったという事実だけでじゅうぶんなのだな、ということを知った。そのあと伯母に電話して、87じゃなくて86じゃない?といっても「そお?」ととぼけているし、父に、86だよ?といっても「そうかい?」ととぼけていて取り合ってくれない。

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