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かもさんおとおり
2014年06月30日(月)
カノコの子のUが(世間的にはまごという)手足口病でがっこうに行かれないというので、お見舞い送ったのだ。このごろ何の動物が好き? と母親にきくと、だんぜん鴨だ、というので、鴨の成鳥のぬいぐるみと子鴨のぬいぐるみと『かもさんおとおり』の英語版。そしたらパパ・ダックとベイビー・ダックと解釈したそうで、たしかに首の緑の雄鴨だったのである。それでこんどは成鳥の雌鴨を送ったが、よくよく見ると、雌は雄より1.5倍くらい大きいぬいぐるみだったようだ。バランスとれないじゃんと気を遣っておる…。 『かもさんおとおり』は、あたしは翻訳がいやなのだ。W先生の翻訳がいやなのではなく、その翻訳が持っている時代が。時代に抗えなかった翻訳が。その翻訳では妻鴨の夫にたいする口調に敬語がつかってある。夫鴨は「子どもたちのことは頼んだよ」とか、なんか異様にえらそうにふんぞり返っている。よそから帰ってきたら妻はそそくさと着替えを手伝い、「おい、めし」とか「おふろになさいますか」とかいいそうな鴨の夫婦だ。Nさんと子育てしていたときは、ここを勝手に変えて読んでいた。あたしたちの絵本では、「じゃあおかあさん、おねがいね」と夫鴨が言い、「あたしにまかせてよ」と妻鴨が請け合った。この翻訳このままじゃぜったいだめだ、夫婦の関係性をこんなかたちで幼児に教えこんじゃだめだ、子どもに害になるだけだと思いつづけて数十年、F書店の人になんども改訳をもちかけてみるが、まだOKされない。やるならあたしがやりたい。で、英訳というかオリジナルのほうは、妻の鴨がとてもbossy(えばっている)で、つねにリードしてる感じ、とカノコがいっていた。しかしそんな関係の鴨夫婦で妻のほうが1.5倍大きかったら、手がつけられなくなるではないか。
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