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ワシントン
2014年04月16日(水)
ワシントンDC。マンチェスターから8時間だ。近い、近い。ものすごく楽だった。『河原荒草』に「待ってたら、待ってたへやが、そのままバスになって、動き出して、それから飛行機に、合体したよね、私はその乗り物を覚えていないのです」と書いたことがある。冒頭だ。そして最終章で「空港の待合室で待っていたら、待合室全体が動き出して、飛行機に合体しました」となるのだ。あれはもしかしたらワシントンのダレス空港のことだったのかも。ゲートから出て、たどりついた待合室で、待っていたら、その待合室全体が動き出して、合体した。飛行機じゃなくて、旅券審査場のある別の建物に。空港の敷地を、そういう待合室みたいな乗り物が何台も走っていた。P夫婦が迎えにきてくれて、Pの家に。途中はサクラだらけだった。満開のもあった。これから咲こうというのもあった。 P宅では、P夫婦が話をきいてくれ、ねぎらってくれて、あたしは気持ちがいい。Pたちはこの旅の本質をちゃんと見抜いていたのである。日本の社会的に言えば、あたしはPの義理の母だが(結婚してないけど)われわれは友人のような関係で、むしろPの方が万事おにいさん的にふるまっておる。現実をいえば、がんこ親父の処遇に苦慮する兄妹同盟なわけだ。以前はPの妻のCが、取っつきが悪くて、苦手で苦手で、頭が痛くなるほどだったが、この頃はどういうわけかまったくへいきになり、Cの善意ばかり見えてくる。人間関係って、考え方ひとつで、うそのようにすっきりすることもあるのだなと、万事OKのあたしとしては、新発見をした心持ちなのであった。しかしきのうまでの水道水のうまさがうそのように、ここワシントン郊外のバージニア州の某所(どこにいるかよく知らない)は水が不味い。
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