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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

空と雨と雲とズンバ

2013年11月22日(金)

ゆうべはむかついて寝る気にならなくて3時ごろまで夜なべしていた。「父の生きる」のゲラに「先生どうやって死んだらいいですか」の原稿直しに「をぐり」の直しである。とうぜん朝9時のJのズンバはいかないつもりだった。それで10時近くまで寝た。つれあいは予定通りその頃買い物にいって11時ごろには帰ってきた。だから11時半のMには問題なく間に合った。しかし行ってみたらMはいなくてEが教えていた。Eは前にもとったことがある。あたしは50歳だからと連呼する、つまり他のインスタラクターよりかなり年上で、エネルギッシュで振り付けはシンプルで指示はわかりやすい。でもMじゃない。帰ってfacebookでMのをみてみたら、風邪かなんかでお休みだったそうだ。
つれあいの買い物は、台所の床のはがれているのを直すための部品だ。それから台所の電灯も調子が悪い。昔は手伝おうとしたこともあったが、つれあいの悪い癖で、ものごとを不必要にややこしくするのでむかつくばかりなのだ。専門家にたのめばいいものを、なまじそういう知識があるし、昔はやってたという自負があるから、部品買ってきて自分でやりたがる。助手のTが実労働をしていた。実は、あたしは直ろうが直るまいがどうでもいいのである。
ゆうべ夜半から雨が降り出して、あしたも雨がなんとなく続くらしい。だからとても寒い。雲が多い。夕方散歩にいったら、沖の方はすっかり雲におおわれていた。日没の二十分くらい前だった。雲は白かったり鈍色だったりした。雨雲は別のところにあるらしかった。太陽のあるところの雲は日の色に輝いていた。その周辺の雲は、水に血を滴らせたときみたいな色に染まっていた。赤というのでもなく紅とも朱ともいうのでもなく。しいていえば朱色か。聖ジュリアンでなんと描写されてあったっけかなあと思いだしたのがこれだ。
「毎晩入りかかる日が血を雲のうちに蒔き散らす。毎夜夢がまざまざと親殺しを繰り返させる」
日が沈む瞬間かもしれない、南の空と東の空がのっぺりとした朱がかったピンクに染まった、でも日が沈んだはずの西の空はあいかわらず白でふちどられた鈍色の雲でおおわれていたのである。

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