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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

寒い一日でした。

2010年03月25日(木)

 外堀公園、飯田橋駅前の桜がちらりほらりと咲きました。卒業式というと、必ず花をつけている山桜の老木にいたっては、もう花の脇から葉が広がり始めています。
この老木は樹齢が400年といいますから、徳川家康が江戸の町を切り開く前から、外堀公園のあの場所に育っていることになります。

 それなのに、寒い、寒い。朝からの雨降りが、途中で霙まじりになりました。こんなに寒くちゃあ、せっかくの袴の晴れ着もだいなしです。寒いせいで、なんだかくたびれちゃいました。

 ところで、桜ですが、もうすぐ桜が咲かなくなるかもしれないという話を聞きました。桜の木は地中の温度が下がったあとで、もう一度あがりだすと花を咲かせるのだそうです。地中の温度が下がらなくなると花が咲かなくなるとのこと。そういえば、沖縄には避寒桜はありますが、本土のような桜はありません。私が生きているうちに桜が咲かない春が来るのかなと、冷たい雨に打たれている桜を見ながらつい考え込んでしまいました。

 鎌倉の八幡様の銀杏が強風のために倒れたのはつい先ごろのことですが、外堀公園の桜の老木もばったり倒れてしまうようなことがあるのでしょうか?あんまり寒いのでついつい、そのような悲観的な想像をしてしまうのでした。800年だとか1,000年だとかの樹齢があると言われる鎌倉の八幡様の銀杏も、ただ強風のためにだけ倒れたのか、それとも根っこになにか、これまでと違う異常が起きていたのか、ちょっと気になりました。

 美しいものは見られるときに見ておくに限ると、そんな気のする春が寒い空気の向こうに姿を現しています。

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