中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

散り残る紅葉

2004年12月10日(金)

 光が丘公園の樹木がほとんど葉を落としたあとに、紅葉だけが散り残っていました。こんなに紅葉の木があったのかと感心するほど、あちらこちらに紅葉の木があります。

 光が丘公園は元はグラントハイツと言われていました。アメリカ軍の将校住宅です。グラントはそういう名前の将軍がいたと聞いています。ここから立川基地へ軽飛行機で通勤していた人もいるのだそうです。将校住宅になる以前は飛行場になる予定でした。飛行場が完成しないうちに終戦になってしまったのです。

 グラントハイツと呼ばれていたころを幾らか覚えています。もう米軍からは返還になっていましたが、公園として整備される前で、周囲は鉄条網で囲われていました。今の光が丘公園の樹木はグラントハイツの頃の樹木をそのまま利用しているところと、新しく植えた樹木でできています。

 まるでサバンナのようなと形容されるほど、光が丘公園の樹木は風変わりな剪定をされていました。アメリカ人は樹木の種類に関係なく一定の高さに剪定することを好むようです。沖縄のアメリカ軍基地もそんなふうな剪定をされています。が、今ではほとんどの木が日本風な姿に戻っています。密かに「前田さん」と名前をつけている椎の木だけは今でも横に枝を広げ、がっしりとした姿を保っています。

 紅葉はおそらく、公園として整備されてから植えた木です。どの木も若くて、木々に葉のあるうちはほかの樹齢の高い木に隠れていいます。あと10年もすればこれらの若い紅葉の木も立派な姿になって、秋の森で存在をつよく主張するようになることでしょう。

↓前の日記 / 次の日記↑

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ