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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

三竦の羽織狐

2008年12月27日(土)

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 伏見稲荷で買った羽織狐です。

手に入れたときから、どうもこの狐は平べったいなあと思っていました。でも、どことなく遊び人風なのが気に入っていました。

 伏見人形を作っている丹嘉のご主人に伺ったところ。この狐は平べったいはずです。三竦(さんすくみ)はジャンケンと同じで、狐のほかに庄屋と猟師の人形があるそうです。庄屋は狐に騙される。狐は猟師に鉄砲で撃たれる。そして猟師は庄屋さまには頭が上がらない。という三竦で、この人形を隠し持っていて、差し出した人形で勝ち負けを決めるという遊びの道具だということでした。

 狐に背中には「一力」の文字が入っています。もともとは祇園の御茶屋の「一力」の注文で作ったものということでした。どうりで、遊び人風の狐のわけです。不良っぽい色気があるのはそのせいかもしれません。大の大人がこんな土人形で遊んでいたのは、その昔、平和な時代のことでしょう。

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