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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

宮本さんのお兄さんの夢

2008年07月15日(火)

 「おたあジュリア異聞」の挿絵を描いてくださっている宮本恭彦さん、それから宮本さんのお兄さんご夫妻、それに長谷川郁夫さんと大阪を歩いてきました。

 宮本さんのお兄さんが夢の話をしてくれました。夢を見たのは「小川国夫さんを送る会」の2、3日前だそうです。4月に亡くなられた小川国夫さんの「送る会」は6月16日に開かれました。

 宮本さんの夢では、その「送る会」の会場へ行ってみると誰もいなかったのだそうです。誰もいないなあと思っていると壁ぎわの椅子に小川国夫さんと長谷川郁夫さんが並んで座っているのに気づいたということでした。なんだ小川さんが来ているじゃないかと、壁際の二人を宮本さんは見てしました。すると長谷川さんが小川さんに聞いたそうです。
「天国はありますか」
 小川さんが答えて
「ありましたよ。あったんです」
 と言ったのだそうです。
 ここの下りを話す時、宮本さんのお兄さんは小川さんのものの言い方そっくりに話しました。声の質は宮本さんと小川さんではまったく違うのに、なぜか宮本さんの口から小川さんの声が聞こえるような、そんな感じでした。で、宮本さんのお兄さんは、夢の中で、
「よく聞いたな、よく聞いたもんだ」
 とひとしきり思い、夢から覚めてまた「よく、聞いたもんだな」と感心したという話でした。

 ほんとうに天国があったと教えてもらった気のする夢の話でした。

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