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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

三枝和子

2004年05月29日(土)

 お知らせページに掲げた「テーマで読み解く日本文学 現代女性作家の試み」は編集委員に加われと言われたときには、そんなことできるなかなと、半信半疑でした。当初の編集委員は大庭みな子さんを筆頭に
三枝和子さん、岩橋邦枝さん、津島佑子さん、道浦母都子さん、田邊園子さん、与那覇恵子さんでした。
 この仕事ではやはり三枝和子さんの存在が大きかったと思います。大庭みな子さんが「はじめに」で書いていますが、もともとは三枝和子さんと大庭さんがお話していた企画です。

 洗足池のほとりにある三枝さんのお宅に伺って編集委員会を開いたこともありました。原稿の入稿が最も早かったのも三枝さんでした。さっぱりとして朗らかな三枝さんでしたが、昨年の春、亡くなられました。

 三枝さんが亡くなられたあと増田みず子さんに選考委員に加わっていただきました。数えてみますと足掛けで5年の仕事になりました。41人の筆者それぞれに思うところを書いてもらった本です。

 昨日、見本の本が届いたのですが、三枝和子さんのにこやかなお顔と「あたし」という時のちょっとはにかんだような発音がまざまざと思い出されました。

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