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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

公正な市場形成

2004年10月15日(金)

 ダイエーと西武をどうするか?プロ野球球団の問題ではなくて、親会社の問題が春先からくすぶっていました。結局、プロ野球の再編成が奇妙な形で出てきたのは、この二つの巨大な会社をどう処置するかということと深く絡まっていたのです。

 郵政民営化は、郵便局をコンビニにすることではなくて、郵便貯金と簡易保険を一般的な金融のルールの中に戻してやることが最終目的です。金融市場のルールを統一し公正公平にするということです。
 西武グループのほうは株式市場のルールを再度、再確認するということに眼目がありそうです。
 ダイエーは、不良債権問題の象徴と言われていました。結局、これらは、金融市場と株式市場という資本主義の二つの柱を立て直すという目的で行われていることだと考えられます。

 国鉄の民営化から始まり、専売公社、電電公社と三公社が民営化され、最後に残った郵政は、ユニバーサルサービスを保証する郵便事業を残して、民営化される方向への流れが見え始めています。

 大問題ほど、なぜか日本では枝葉末節から議論が始まり、全体像が見えてきた時には、流れはだいたい決まっているという進み方をするようです。国会の議論も小学校のPTAの議論も進み方はよく似ています。抽象的な言語の弱さがそういう議論の進み方を生んでいるのではないかと、私は考えています。枝葉末節のほうが具体的なので、そこで、誰もがものを考えることができるのです。だからと言って、そういう議論の進め方が良いとは思わないのですが。

 日本は世界で一番、成功した社会主義だなんて皮肉がありましたが、社会主義を資本主義に戻そうとする全体象が見える地点までは漸く進んできた様子です。これを言行一致が進んだと見るべきなのか、それとも中間所得層の厚みを誇った日本の崩壊と見るべきなのかは、判断の分かれるところでしょう。

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