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品川とお台場沖
2007年07月19日(木)
品川から船に乗って、お台場まで行きました。屋形船です。法政大学教員の懇親会です。品川は電車のなかからたいへんな変わりぶりだなと眺めていましたが、実際に降りて歩いてみると、なんだか建築模型の中にいるみたいでした。昨年、大原に建てている家がSDレビュー展に入賞したときに、いくつかの建築模型を見たのですけど、なんか、そのまま、でかくなった感じ。
空中回廊というのか、駅から周囲のビル群の中に歩廊が延びていて、哲学の先生がふあふあ浮かんでいるみたいだって言ってました。哲学の先生に「地に足がついてない感じがする」って言われるとなんか変な感じがしました。「路地裏の哲学」とか「空中回廊の哲学」とか「線路の哲学」なんて連作短編を書いたらおもしろそうだなあとちょっと思いました。品川のそのあたりは完全に人と車を分離した設計になっています。歩く安くて快適ですけど、品川にいる気がしないって、ちょっと思いました。
品川までくると、ああ、ここで御江戸も終わりって、自動車はややスピードを上げ、排気ガスの中によどんだ潮の匂いが混じり、寒々しい感じが夏でもしたものでした。懇親会は屋形船と聞いて「大川」だと思い込んでいました。柳橋あたりから船で出るものと。で、品川と解ってややあせりました。そんな遠くになって飯田橋から行くんだろうって。柳橋ならまだ公方さまのお膝元だけど、品川じゃあ、もう公方さまのお膝元じゃないって思うのは、もう古いのは重々承知です。
で、日が暮れてからお台場沖にでました。いつも思うんだけど、お台場の自由の女神は、陸地のほうを向いていて、海に背中を向けているのはなんかへん! フジテレビの見える海の上は赤い提灯を並べた屋形船だらけで、夜だというのにかもめがたくさん飛んでました。大胆にも人間の頭上すれすれを飛ぶかもめさえいました。かもめって、鳥目じゃないのかしら?お台場沖って言ってもビルの明かりに取り囲まれた池みたいな感じです。ただ船底に海のうねりがどおんと当たるときだけ、海の上にいるんだという実感がわきます。
お台場そのものは埋め立てられて、なくなっちゃたのかと思い込んでいたら、ちゃんとまだあるんですね。 黒船が来た時は、急造のお台場に石灯籠を横倒しにして大筒に見せかけ、幕府は諸大名を江戸城に集めるのに火事装束にするか戦装束にするかで、延々と評定を続けて、結局、火事装束で集合させたなんて話を思い出しました。 加藤清正が伊豆から江戸城の石垣のための石を運んできたときには品川なんて、遠浅の海岸が広がっていただけなんでしょうねえ。
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