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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

小学校はジャンパー

2006年11月05日(日)

 会う人ごとに「いつまでも寒くなりませんねえ」と言うのが最近、挨拶の代わりみたいになっています。一の酉が過ぎたというのに、寒さ知らずのお天気です。今日も地下鉄の中であった人が「だって夏の背広着ているんです」って教えてくれました。初夏から夏にかけて着る合着の背広で外出できてしまうこのごろのお天気です。

 で、コートの話の続きです。小学生の時、何か記憶に残っているコートってあるかしら?と考えてみたのですが、これと言って記憶に残っているコートがありません。雪の日に家の前で撮影してもらった写真では大きな格子の柄のコートを着ているのですが、このコートの記憶がないのです。千葉県の最南端の館山では、冬でもセーターがあれば充分で、あまりコートを着ることがなかったのでしょう。

 横浜から館山に越したのは小学校に入学する年でしたが、男の子が長ズボンを履いているのを、奇異に感じました。もっとも、館山の子には半ズボンというものが奇妙に見えるようです。ずっとあとのことですが、高校のともだちが「東京の子どもが足を出した半ズボンをはいているのが気持ち悪い」と言っていました。我が家では逆で子どもが長ズボンなんて履くものではありませんとばかり、冬でも弟は半ズボンで過ごしていました。東京の子どもの半ズボンを気持ち悪がっていたともだちによれば、草むらの多い田舎では、半ズボンは虫刺されや蛇に噛まれるなどの危険があるそうです。へえぇ、そんなものかしらと、妙に感心しました。気候的には横浜よりはずっと半ズボンに適したいたのに。

 コートとは縁が遠のいた小学生時代を終わって、中学生になると、制服の上に着る学校指定の学生コートを買ってもらいました。私はちょっとした意地で、この学生コートを高校生になっても着ていました。

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