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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

お母さんの買い物籠

2006年08月01日(火)

 買い物籠ってみなくなりました。どこでもレジ袋が当たり前で、手ぶらで、いや財布だけ持って買い物に行って帰りはレジ袋を提げてくるというのがいつものスタイル。家には築地で買った買出し用の籠がありますが、もっぱら調味料入れになっています。これは大から小まであってかさねられるので便利だけど、これを下げて買出しということもありません。

 あとフランフランで買った紺色のキャンバス時の買い物袋がありますが、こっちはいつのまにかスーパーファミコンが収納されています。それに冷凍食品などを入れる保温用のコーティングがされた手提げ。これはどこかからのもらいものですが、夏の買い物でお魚や冷凍食品を買う場合はけっこう重宝しています。

 私が子どもの頃は、お母さんというとカーディガンにスカート。エプロンを締めて買い物籠を下げているという絵がかかれていました。お母さんに買い物籠はつきものだったんです。八百屋さんや魚屋さんでは品物を新聞紙にくるんでくれるし、お肉屋はちょっと上等で、お店の包み紙にくるんでくれました。それらを買い物籠に入れておうちに帰ってくるというのが一般的な買い物スタイル。

 いつも台所にあった買い物籠を思い出そうとしているのですが、素材や色、形は不確かな記憶しかないのに、それがひしゃげていたのは鮮明に覚えています。買い物籠も代替わりして、幾つかあったのですが、なぜか、どれも同じようにゆがんでひしゃげてました。85年頃まででしょうか?買い物籠を下げて買い物に行くことがあったのは。バブルが始まる前までは、スーパーもありましたけれども、個人商店の結構多くて、かたちだけでも買い物籠を下げている時がありました。もう20年も前の話ですから、今の20歳くらいの人は買い物籠なんて見たこともないという人もきっといるでしょう。

 すごく小さい時に買い物籠に入って遊んでいたら、「そんなところに入っていたら市場で売られちゃうよ」といわれました。

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